どの業界でもそうですが、塗装業界にも相場があります。例えば、30坪ぐらいの建物の塗装であれば100〜120万円が相場です。相場を大きく下回る金額では赤字になってしまいますので、業者は仕事ができないはずですよね。

そのため、明確な理由がないのに相場を大きく上回ったり、下回ったりしている業者には要注意です。ただし、個人経営なら安くて80万円程度のケースもありますし、逆に高級塗料を使っているといった理由で150万円ほどの金額になることも考えられます。

しかし、80万円を下回る金額では、業者側にとって費用面にかなり無理が出てくるはずです。あまりに安い金額では丁寧な仕事ができませんので、どこかで手抜きをする必要が出てくるのです。

ならば、100〜120万円の相場内の見積もりであれば依頼しても安心なのか、というとそうでもありません。100〜120万円の金額で仕事を請け、その後外注業者に50〜60万円で任せているケースもあるのです。

適正価格だからといって安心できるという訳でもないことに注意しなければいけません。

相場を大きく下回るとどんなリスクがある？

では、相場を大きく下回っている業者に依頼すると、どんなリスクがあるのでしょうか。

例えば、3回塗りと伝えられたのに、実際は1回塗りだけで終えてしまうケースがあります。実は、1回塗りと3回塗りの違いはプロが見ても確証が持てないほどです。素人の方にはまず見抜けないでしょう。

しかし、1回塗りと3回塗りでは、塗膜の厚さが変わります。塗膜の厚さは耐久性に大きく関わるのです。

3回塗りでは、使う塗料の量が増え、工事期間も長くなります。安く請け負った分、手抜きされてしまうのです。 50〜60万円の塗装工事であれば、手抜きが前提になってしまうと考えてもよいでしょう。

そのため、見積もりの段階で何回塗ってくれるのかを確認することをおすすめします。しかし、業者に嘘をつかれてしまってはどうしようもありません。信用できる業者を見極めることが重要なのです。

 

塗装って上手い下手ってあるんですか？

施主さんはわからないことも多いですが、プロ目線でお話しすると仕上がりの良さには違いがあります。

仕上がりに大きく影響するのが見た目です。

下手な業者は色ムラがあったり、はみ出ていたり、ついてはいけない箇所に塗装がついてしまったりしている場合があります。また、業者によっては見えないところは塗り込まないような雑な作業をしているところもあるようです。

 

手抜きの塗装の結果

塗装の結果に差が出てくるのは4〜5年後です。塗ってから1〜２年の間はあまり違いが分かりませんが、4〜5年経つと手抜き塗装の落とし穴が表れていきます。

例えば、手抜き塗装をされていると、塗料が早めに剥離を起こし、改修時期が早まってしまうことがあります。そのため、無駄に塗装回数が増えるといった事態に陥るのです。

 

結論

施主さんが、業者との契約前に手抜きをされるかどうか見抜くのは、至難の業です。

ですが、一つの指標として考慮していただきたいのが、塗装工事の価格です。

相場から外れて安すぎる業者は、おすすめできません。責任感を持って塗装を行う会社は、過度な値引きには応じないからです。

売上のためだけに無理な値引きに応じる会社には、依頼しないようにしましょう。