塗装のプロが語る、水性塗料のメリットデメリット
こんにちは、相模原市のミヤビユニアローズです。
「水性塗料のデメリットってありますか?」
という質問をよくいただきます。かつて外壁に使う塗料は油性のものがほとんどでした。しかし現在、原則弊社は外壁塗装に水性塗料しか使用しません。雨樋など、付帯部分に油性塗料を用いる事はありますが、基本的には水性塗料がメインなのです。
今回はお客様の「水性塗料」についての疑問に答えるため、水性塗料のメリットとデメリットを「油性塗料」と比べながらお伝えしていきます。
水性塗料のメリット
1.安全
溶剤にシンナーを使う油性塗料と違って、水性塗料には人体に有害な有機溶剤が用いられていません。そのため嫌な臭いを発生させる事が少なく、また作業をする職人さんの健康を害してしまう心配もなくなりました。
油性塗料を使って外壁塗装をすると、どうしても独特の臭気が発生してご近所の方々に迷惑がられてしまう事がありました。しかし、安心安全な水性塗料が現れた事で、いまではそんな不安もかなり軽減されています。水性塗料は健康にも、環境にも優しい塗料であると言えるでしょう。
さらに、水性塗料にはシンナーを使用しないため、塗料の保管という面でもかなり安全になりました。というのも、油性塗料は火気厳禁で火災などといった点に注意しなくてはなりませんでしたが、水性塗料にはそんな心配もありません。塗料を扱う業者にとっても、水性塗料は安心という大きなメリットがあります。
2.安価
水性塗料は油性塗料に比べ、安価に使うことができます。施工にかかる費用を抑えることができるので、お客様にとってもかなり嬉しい塗料なのです。
今日ではかなり多くの種類、ランクの塗料が市場に出ていますので、性能と価格のバランスを考えながらお客様のご要望にぴったり合った水性塗料を選ぶことができます。塗料選びにおいて、選択の幅が広がった事も水性塗料のメリットの1つと言えそうです。
ただし、一概に安い塗料を選択すればいいというものでもありません。オススメできない塗料も確かに存在しています。例えば、アクリル塗料です。
アクリル塗料はあまりオススメしません
ご趣味でDIYをされるお客様の中には、雨樋や外壁をご自身で塗装される方もいらっしゃいます。おそらく塗料はホームセンターなどで入手されるのだと思いますが、そうしたお店で売られている塗料の中には特に値段が安い「アクリル塗料」があります。
アクリル塗料を外壁に使う事を、弊社はあまりオススメしていません。「アクリル塗料は外壁に悪い!」とまでは言えませんが、アクリルの塗料を用いるとどうしても塗膜が弱く仕上がってしまいます。塗膜が弱いと耐久性に難が出てしまうのです。
あまり長持ちしない塗料を使うと、短いスパンでの塗り直しが必要になってくるので、トータルコストの面で本当に「安く」なるのかと訊かれれば、自信をもって「安いです」とお答えするわけにはいかなくなってしまいます。
また、アクリル塗料での塗装をした後に「やっぱりプロにお願いしよう」と専門の業者へご依頼いただき、施工を行う事になった場合にも注意が必要です。
アクリル塗料を塗布した面は塗膜が弱くなっています。その塗膜の上からさらに塗装を施し、二重の塗膜をつくってしまうと下の塗膜(アクリル塗料でつくった塗膜)が剥がれたときに、一緒に後から塗った塗材も落ちてしまう事があるのです。
水性塗料のデメリット
さて、話を水性塗料に戻します。
水性塗料の一般的なデメリットには以下のようなものがあります。
1.油性塗料に比べて耐久性に劣る
現在数々の種類の水性塗料がメーカーから販売されており、高いランクのものからそうでないものまで、自由に選択することができます。油性塗料に劣らないかなり性能の高いものも当然あります。ですが一般的には、やはり油性塗料の方が高価な分、耐久性の面で優れているという側面があります。
足場を組むのにかなりのコストがかかるためメンテナンスが難しい、などといった事情がある場合は、抜群の耐久性を誇るトップグレードの油性塗料を使用する事もあるかと思います。重要なのは、お客様のニーズに合った塗料を選択する事です。
2.素材によっては、油性塗料の方が適している
はじめに申し上げたように、弊社でも雨樋などの付帯部分には油性塗料を使用する事があります。鉄部など、水性塗料の使用に適していない素材もあるのです。
そうした場合には水性塗料と油性塗料を使い分け、もっとも綺麗で頑丈な仕上がりになるよう適切な判断を下しながら、施工を行うことになります。
時代は水性塗料
以上、簡単ではありますが水性塗料のメリットとデメリットをご説明させていただきました。
技術の発展は日進月歩、これまで水性塗料が飛躍的な進化を遂げてきたように、これからも塗料はどんどん改良されていくものと思われます。
特に現代では環境や作業の安全性といったことが重視されますので、そうした点で水性塗料のメリットは決して無視できないものと言えるでしょう。将来的には油性塗料のメリットも兼ね備えた、理想的な水性塗料が完成するかもしれませんね。
実際のところ現在でも、昔に比べて水性塗料はかなり性能のいいものに生まれ変わっており、特殊な状況でない限りはその性能をいかんなく発揮してくれています。
外壁塗装をお考えの方で、塗料についての疑問・ご質問等ございましたらお気軽にお声かけいただければと思います。塗装に関するご相談、いつでも歓迎いたします。皆様のお問合せをお待ちしております。